台湾の法律上の要件
台湾の人工生殖法により、以下が定められています。日本から治療を検討される方に関わる主な点です。
実施対象(第11条)
- 法律上の夫婦であること。事実婚、独身の方は対象外です
- 妻がご自身の子宮で妊娠・出産できること
- 夫婦の少なくとも一方が健康な生殖細胞を持つこと(自己卵IVFではこれに該当します)
日本の婚姻関係を証明するため、戸籍謄本などの婚姻証明書類に、台北駐日経済文化代表処の認証を受けていただく必要があります。
実施上の制限(第16条)
- 1回の移植で5個以上の胚を移植することはできません
- 培養7日を超えた胚は使用できません
- 胚や生殖細胞を国外へ持ち出すことはできません(日本への持ち帰りは不可です)
治療の流れと渡航スケジュール
台湾での自己卵IVFは、3回の渡航が基本になります。日本国内のバックアップクリニックと連携し、渡航の回数と日数を最小限に抑える運用を行っています。
事前準備(日本国内)
オンラインでのご相談を行い、これまでの治療歴、検査データ、投薬歴を確認します。AMH、ホルモン値、精液検査の結果など、お手元の資料をお送りいただきます。
婚姻証明書類の台北駐日経済代表処での認証手続きを並行して進めます。
第1回渡航|初診・採精・書類手続き(ご夫婦での来院・半日)
ご夫婦そろってお越しいただく唯一の渡航です。
来院から終了まで、半日程度で完了します。
- 初診・診察
- ご主人の採精(精子は凍結保存します)
- 同意書など必要書類のご記入
- 今後の治療方針のご説明
午前中に台湾に到着して午後に来院いただければ、翌日には帰国できる日程です。お仕事の都合がつきにくいご主人にも、ご負担の少ない形でご参加いただけます。
【ご注意】精液検査の結果によっては、翌日の朝に再度の採精をお願いする場合があります。その可能性がある場合は事前にお伝えしますので、翌朝までご滞在いただける日程でお越しください。
第2回渡航|採卵(奥様のみ・1週間程度)
渡航前(日本):月経開始後、日本のバックアップクリニックで採血とエコー検査を受けていただきます。その結果をもとに刺激法を決定し、日本国内で排卵誘発を開始します。
渡航中(台湾):来院後、卵胞の発育とホルモン値を確認しながら、最も適した日に採卵を行います。
滞在期間が約1週間必要となる理由は2つあります。
採卵日を固定できないため
ひとつは、採卵日を固定できないためです。卵胞の育ち方には個人差があり、日によって変わります。あらかじめ決めた日に合わせるのではなく、モニタリングを行いながら最良のタイミングで採卵することが、採れる卵子の質と数に直結します。滞在中に調整できる余裕を持っていただくのは、そのためです。
採卵後の経過観察のため
もうひとつは、採卵後の経過観察のためです。排卵誘発を行うと、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が生じることがあります。多くは軽度ですが、腹部の張りや違和感が出る場合があり、症状は採卵後数日たってから現れることもあります。帰国の飛行機に乗ってから不調を感じるという事態を避けるため、採卵後も台湾で経過を確認できる日程を組んでいます。
採卵後、受精した胚は胚盤胞まで培養され、凍結保存されます。PGT-Aを併用する場合は、この段階で胚生検を行い、解析に出します。
結果のご報告
胚盤胞の到達数、PGT-Aを実施した場合はその判定結果をご報告します。移植する胚を決めていきます。
第3回渡航|胚移植(奥様のみ・1〜2泊)
渡航前(日本):月経開始後、バックアップクリニックで検査を受け、ホルモン補充を開始します。所定の日数を経て、内膜の状態を確認します。
渡航中(台湾):来院当日に診察し、その日のうちに胚移植を行います。
滞在期間の目安:1〜2泊
治療環境について

- タイムラプスインキュベーター
胚を培養器から出さずに発育を連続観察します - AIによる胚評価の補助
胚の選択にあたって、形態評価に加えた判断材料としています - 顕微授精(ICSI)
精子の状態に応じて選択します - 胚盤胞培養と個別凍結
胚盤胞培養と個別凍結 - PGT-A・PGT-Mの併用
同一周期内で実施可能です - 中医(漢方・鍼灸)との連携
ご希望に応じて、体質面からの調整を併行できます